産駒から読むMSTN / 01
フライトライン Flightline
三頭の産駒に、三つの型
六戦しか走っていない。それなのに、もう一度見たいレースがいくつもある。Flightlineの競走生活は2022年に終わりましたが、その名前を見つける場所は、今も増えています。
19¼馬身の向こうへ
2022年のパシフィッククラシック。Flightlineがつけた着差は19¼馬身でした。1¼マイルを走り切って、二着のCountry Grammerがゴールするまで、それだけの隔たりがある。接戦の一瞬に息をのむ競馬とは違う、勝ってなお後ろを待つような数字です。
続くブリーダーズカップ・クラシックでは、Life Is Goodを追走。最後の直線に向かうところで先頭に立つと、今度は8¼馬身差をつけました。デビューから六戦六勝、うちGⅠを四勝。最後まで、Flightlineを負かした馬はいませんでした。
FLIGHTLINE · 2018
血統表に、続きができる
父はTapit。その父がPulpit、さらにA.P. Indyへと続きます。母FeatheredはIndian Charlieの娘で、自身も重賞を勝った馬。Flightlineの血統表を遡れば、あの六戦よりずっと前から続く名前が並んでいます。
Tapitを追ってきた人には、その息子として。母の一族が好きな人には、Featheredの産駒として。Flightlineとの出会い方は、あの圧勝を見た人だけのものではありません。そして種牡馬になった今は、誰かが好きになった若い馬の「父」の欄にも、その名が載ります。
その一頭がデミアンです。2026年6月13日、東京の芝1400メートルでデビュー勝ち。米国のダートを六戦全勝で駆け抜けた父の、産駒初勝利の知らせが届いたのは、日本の芝でした。
デミアンを見てからFlightlineの映像を開く人も、きっといるでしょう。父の走りを覚えている人には産駒の一勝が新しい出来事になり、産駒から知った人には父の六戦が新しい発見になる。引退した馬のレースが、また誰かの楽しみになるところに、血統を追う面白さがあります。
父系・母Feathered:Lane's End血統資料 · デミアンの新馬戦:JRA · 産駒初勝利:Lane's End
FlightlineのミオスタチンはCT
ここから血統表や産駒を眺めに行くこともできます。どの子が手がかりになったのか気になったら、この下で三頭をたどってみてください。
全兄弟から、どこまでわかる?
最初に並べるのは、オーレヴィアとWildwood's Beauty'25。FlightlineとWildwood's Beautyの間に生まれた、2024年生まれの兄と翌年生まれの弟です。
兄はTT、弟はCT。父母が同じ二頭にも違いがありました。これなら父はCT、と決まりそうですが、もう一つ組み合わせが残ります。父がTT、母がCTでも、この兄弟は生まれるのです。
兄のTTから父にTがあるところまではわかる。弟のCは父から来たのか、母から来たのか。この二頭だけでは、父の候補はCTとTTの二つです。
デミアンが、もう一つの手がかりに
ここで加わるのが、先ほど東京での一勝を紹介したデミアン。その型はCCです。CCの子には、父からもCが渡っています。
オーレヴィアへTを、デミアンへCを渡した父。二頭をつなぐと、FlightlineはCTに絞られます。
父の六戦から、デミアンの一勝へ。さらにオーレヴィアと、その弟へ。Flightlineの名前を追う先には、今度は子どもたちそれぞれの競走生活が待っています。